柚葆、彼氏ができる
愛華と柚葆は同じ学部なので
よく同じ授業を受けています。
今日は愛華が先に席に着いて柚葆を待っているようです。
講義室に柚葆が入ってきました。
にっこにこでごきげんな様子。
るんるんで愛華のもとにやってきました。
柚葆「おっっっっはよ❤︎愛華❤︎」
愛華「…おはよ…元気ね」
柚葆は隣に座ってからも鼻歌歌ったり、
にこにこしながらケータイを見ています。
愛華「いいこと…あった?」
柚葆「そうなの!!よくぞ聞いてくれました!!」
愛華(あ、話長くなるな…)
柚葆「実はねえ…私…」
愛華「よかったね」
柚葆「めーーーーーちゃ幸せなの❤︎」
愛華「授業始まるよ」
柚葆「彼の素敵なところはね…」
愛華(始まってしまった…)
柚葆「すっごく優しいの!おととい初めて会ったんだけど
私が学校の荷物持ってたら、彼が持ってくれて〜
男なら普通持つでしょ?ってきゃー!かっこいい!」
愛華「…おととい初めて会ったの?大丈夫?」
柚葆「大丈夫よ!めっちゃ優しんだもん!」
愛華「…荷物なら誰でも持ってくれるでしょ…」
柚葆「もーこれだからお嬢様は。
お嬢様に荷物持たせるわけないじゃない!
愛華も早く彼氏つくって優しい一般の男の子のこと知って方がいいわよ!」
愛華「…そうなのかしら」
柚葆「そうよ!あ!でも私の彼氏、一般の男の子じゃないわ!」
愛華「どうして?」
柚葆「それはね…」
柚葆「じゃ!今日これからデートだから!」
愛華「…ノート取れなかった…」
・
・
カフェデートへ
柚葆はみんながよく行くカフェ『branch』に彼氏と来ました。
柚葆「ここがよく来るカフェなの!」
柚葆彼氏「へー、branchって枝って意味だよね?」
柚葆「えー!すごおい!英語できるんだあ!」
柚葆彼氏「普通読めるよ」
柚葆「すごーい!!」
理玖「いらっしゃいませ〜あ!柚葆さん!」
柚葆「理玖くん!」
理玖「おっデートですか?」
柚葆「そうなの!」
柚葆彼氏「普通見ればわかるだろ」
柚葆、理玖「…」
理玖「あ、そうですね!ごめんなさい聞いちゃって」
柚葆「いやいや…」
理玖「では、ごゆっくり…」
柚葆と彼氏は席につきました。
柚葆彼氏「っていうか、普通人の彼女に馴れ馴れしく話しかけるなよなあ…」
柚葆(……嫉妬…してるのかな?)
柚葆彼氏「柚葆ちゃん、何食べる?」
柚葆「えーーとね、私外で食べるとき自分で作らないもの食べるんだ〜」
柚葆彼氏「柚葆ちゃん料理得意なんだっけ?」
柚葆「そうなの!」
柚葆彼氏「でもさ、」
柚葆「…まあ、でも、友達の中では得意な方だよ〜?」
柚葆彼氏「ふーん、」
柚葆(私がどんだけ必死に練習して料理できるようになったと思っとるんじゃいい)
柚葆彼氏「…頼もっか」
柚葆「うん」
理玖「お決まりでしょうか?」
柚葆「あ、チーズケーキ2つと…」
柚葆彼氏「あ、チーズケーキに生クリーム付いてくるよね?」
理玖「あ、申し訳ございません…当店では生クリームトッピングしていなくて…」
柚葆彼氏「は?普通ついてるでしょ。」
理玖「え、でも当店ではなくて…」
柚葆彼氏「いいわ、コーヒーだけで。」
理玖「…申し訳ございません。ただいまお持ちいたします…」
少ししょんぼりして下がっていく理玖。
柚葆「流石にあの態度はないでしょ」
柚葆彼氏「客が欲しいって言ってんだから黙って用意するだろ。」
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プチッ
柚葆「あんたの普通は歪んでんのよっ!!
大の大人がわがまま言う方が普通、ありえないから。」
柚葆彼氏「柚葆ちゃん…??」
柚葆彼氏「…お、女の子なら普通そんな声荒げないだろ!!
か、帰る!!!」(ガタンッ
柚葆彼氏はそそくさと帰ってしまいました。
柚葆「またやってしまった…」
理玖「お待たせいたしました〜チーズケーキ…」
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次の日の学校
次の日、柚葆は明らかにどんよりしています。
愛華「…どうしたの?」
柚葆「別れた。」
愛華「あら…」
柚葆「次はちゃんと中身わかってから付き合う!!
ねえ!愛華誰か紹介してよ!!」
愛華「嫌よ」
柚葆「なんで!?社長とか普通の子もいっぱい声かけられてるの
1人ぐらいくれたっていいじゃない!!!」
愛華「いい人ってわかってからじゃないと、大事な友達紹介できないわ」
柚葆「…愛華…酷いこと言ってごめん〜〜」
愛華(柚葆って単純だから余計心配なのよね…)
柚葆にピッタリな彼氏ができますように…
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ーおまけーーー
愛華と晴翔の帰り道。
晴翔「あい、荷物重いでしょ、持つよ」
愛華「なんで?」
晴翔「なんで?って…俺があいに重たい思いして欲しくないから…持ってあげたいなって…」
愛華「…今日ね、友達が誰かいい人紹介してって言ってたの。」
晴翔「ほー、彼氏欲しいのかな」
晴翔(…俺、愛華の友達に紹介されちゃうのか………)
晴翔、きっと友達に紹介できるぐらいいい子ってことだよ…多分。
かんばれ、晴翔。
続く