ライバルの予感?

晴翔「どういうことだ。」
壁ドンをしている晴翔、腕の中にいるのは…


せいや「う、打ち上げだよ、打ち上げ、コンペお疲れーの…」
晴翔「あの女の子たちはなんなんだよ」
昨日、コンペお疲れ様の打ち上げをしようとせいやに誘われた晴翔ですが、
なんと、蓋を開けたら合コンで。
せいや「だってよー!俺ら大学生だぞ?彼女欲しいんだよぉ〜」
晴翔「勝手にやってろよ、俺を巻き込むな」
せいや「お前であの子たち釣ってるんだよ!お前いなかったら集まんないんだって!」
晴翔「…はぁ。仕方ねぇなぁ」
せいや「やったー!早速行こうぜ!!」
他の女の子たちと話すなら、愛華と一緒にいたい…と思う晴翔。
しかも、少し晴翔の苦手なタイプ。
高い声でこんにちは〜とテンションが高い女子たち。
A子「はじめましてー!」
B子「お名前なんて言うの??」
晴翔「…晴翔です…」
りの「晴翔くん!よろしくね!!」
せいや「こいつね、すげーんだよ!金山裕翔の兄さんなんだぜ?」
りの「えー!そうなの??じゃあ、晴翔くんも空手できる…」
晴翔「…別に俺のことはいいから…」
せいや「なんだよ暗ぇな!」
A子「照れてるの?」
B子「可愛い〜!」

乗り気じゃないであろうだいちに助けを求めるように目をやりますが
晴翔(だいちニヤニヤしてねぇで助けろよ…帰りたい…)

だいち「晴翔、ずーっと片想いしてる子いて、今日は他の女の子たちと触れ合ってもらおうと思って…」
晴翔「は?何言ってんだ」
A子「そうだよ!いろんな子のこと見た方がいいよ!」
せいや「だよなぁ?こいつほんっと真面目で、片想いもうすぐ20周年!」
晴翔「…」
晴翔は恥ずかしくてもう喋れなくなっています。
りの「めっちゃ一途じゃん…」
せいや「それがね〜高嶺の花なんだよねぇ、幼馴染、お嬢様なんでしょ?」
晴翔「俺トイレ」
A子「えー、さっきもいってたじゃーん」
晴翔はトイレの中で頭を抱えます。
晴翔「…まじで帰りたい…」
このまま帰ってしまおうかと思います。
ため息をつきながら外に出ます。
すると、そこに
さゆり「え、晴翔?」
晴翔「え、さゆり?何してるの?」
さゆり「普通に…ご飯食べにきたんだけど…晴翔こそどうしたの、ため息ついて…」
りの「いたー!!!晴翔くん」
さゆりの後ろからりのが指を刺してやってきました。
りの「早く戻ってきてよぉ」
晴翔の腕を掴み引っ張ります。
反射的にさゆりが晴翔を引っ張りました。
りの「…え?」
さゆり「あ、ごめん」
晴翔「いや…大丈夫」
りの「…この子が幼馴染?」
晴翔「いや、違う、大学の友達で…」
りのはさゆりのことをじっと見つめ、ニヤリと笑い
りの「ふーーん…晴翔くん先戻ってて」
晴翔「え、うん」(ってか早く帰りたいんだけど)
晴翔がその場を離れ
りの「多分、晴翔くん無理やり合コン連れてこさされたんだと思う」
さゆり「ごうこ…?っへぇ、私には関係ないけど」
りの「関係なくないでしょ?あなた、晴翔くんのこと好きでしょ?」
さゆり「は?そ、そんなわけ…晴翔。別に好きな人いるし」
りの「まだ付き合ってないらしいじゃん?早くしないと取られちゃうよ?もしかしたら、その片想い相手以外に」
さゆり「…何言って」
りの「恋は、伝えたもん勝ち」
といってりのは席に戻りました。
さゆり「…私の方が…好きだもん…絶対」

晴翔はなんとか合コンを乗り切り、帰路につきました。
晴翔「…もう騙されない……」
りの「晴翔くん!」
と、後ろからりのが追いかけてきました。
晴翔「…っ、りのさんでしたっけ?」
りの「やだ〜覚えててくれたの?」
晴翔「…」
りの「晴翔くんモテモテだね、片想いしてるなんて勿体無いよ」
晴翔「…別にあなたに関係ないでしょ、別にモテないし」
りの「関係あるよ」
と、りのは晴翔に後ろから抱きつきました。


晴翔「は?ちょっと」
晴翔は腕を解きました。
晴翔「何してるんですか…」
りの「好きになっちゃった」
晴翔「は?」
りの「晴翔くん、幼馴染さんとうまく行くまで、私と付き合お?」
晴翔「…結構です」
りの「えー!なんでー?りの結構いい女だよ?ー
晴翔「間に合ってます」
りの「遊びでいいから〜」
晴翔「そんなすぐあって…遊びで付き合おうとか…そういうの俺嫌だから」
りの「じゃあ、ある程度知ってる子で、真剣な子ならいいの?」
晴翔「…そう言うわけじゃ…とにかく、俺、他の人興味ないんで」

晴翔は早足でその場を離れました。
晴翔(隙だらけだ…修行足りないのか…空手もう一回やろうかな…)
家の近くに着くとタクシーが晴翔を追い越しました。
愛華「はるも今帰り?」
晴翔「あい…」
タクシーから愛華が出てきて晴翔に話しかけます。
愛華「はる、なんかホッとした顔してるわね」
晴翔「え、そう?」
愛華「はるは全部お顔に出てるわよ」
晴翔「…なんか恥ずかしい…」
愛華「じゃあ、おやすみ」
晴翔「あ、ちょっと」
つい愛華を呼び止める晴翔。
愛華「…?」
晴翔「あ…いや…あいって…人好きになったことある…?」
愛華「…どうしたの…?」
晴翔は自分でもびっくり、合コンで好きだとかなんだとか色々あったため、ついぽろっと聞いてしまいました。
晴翔「わ、忘れて、ね」
愛華「あるわよ?」
まさかの返答に固まる晴翔。
晴翔「エ。」
愛華「…はるも、由莉も好きよ?」
晴翔「…そういうことじゃ…」
愛華「なぁに?」
晴翔に近づき、顔を覗く愛華。
晴翔「…他の…男の人とか…」
(ああ聞いちゃった…あの写真の人…好きって言わないで…)
愛華「あー…そういう話、した人ならいる」
晴翔「ええ?!」
思わず大きな声が出る晴翔。
愛華「…脅かさないで…」
晴翔「ごめんごめん…」(俺寄り先に告ったのかあいつ…)「な、なんて言ったの…」
愛華「…それは…内緒よ、今度うまく行ったら話すわね、」
晴翔は心臓がぎゅっとなります…
そして、愛華に手を伸ばし
愛華「…はる…?」


愛華を抱きしめました。
晴翔の愛華を抱きしめる手は震えています。
はっと我に帰り。
晴翔「…っ…ごめん」
晴翔は愛華から離れ、そのまま家に帰りました。
晴翔(愛華ごめん…うまく…いかないで…)

晴翔が家に入ったあと、急に抱きしめられた愛華は目を丸くして棒立ちに。

思い詰めたような晴翔の顔と、抱きしめられた時の香り。

愛華「…何か違ような…」

勘違いが重なってしまうのか…

もうすぐ六花大学の学校祭です。

続く

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