お次は六花大学の学校祭。
巷で有名な学祭で、外部からもたくさんの来場者が。
実行委員の芽衣は今年も張り切っています。
芽衣「今年のコンセプトもね〜素敵なんだよ〜!」
由莉「決まったの?」
芽衣「中世ヨーロッパの城下町!」
菻「すごいじゃん!!」
芽衣「実行委員みんな衣装着るの〜」
柚葆「すごいね本当、毎年」
芽衣はニコニコしながら愛華の顔を覗き込みます。
芽衣「それでね。愛華にお願いがあって」
愛華「嫌。」(ノールック)
芽衣「ねぇえええお願いだよぉぉ」
由莉「…また?」
芽衣「そう、またです。」
六花大学の学祭はイメージキャラクターが毎年いて、
去年も愛華は頼まれましたが
きっぱり断りました。
今回は城下町ということで
王様とお姫様をキャスティングしたいらしく。
芽衣はどうしても愛華にやってほしいようです。
芽衣「可愛いドレス着れるよ?学祭全部無料にするよ?だめ?」
愛華「はると回れなくなる」
イメージキャラクターになると自由が利かなくなるので学祭を自由に回ることができません。
芽衣「あーーーんもーーー、王様役はすぐ承諾してくれたのに」
柚葆「え?誰になったの?」
芽衣「井間さん!!」
愛華以外の4人「えー!?!?」
目を見開き驚きます
菻「えーー!!!すごいじゃん!!!!」
芽衣「去年は断られたらしいんだけど…今年は二つ返事で受けてくれた!!」
菻「芽衣やるぅ!!」
葉子「今年執行学年だもんね、芽衣」
芽衣「そう!もう、めっちゃ気合い入る!!」
六花大学の学校祭は2年生が主導になって計画を進めるそうで、
芽衣達はちょうど2年生。
なんとしても学祭を成功させたいのです。
芽衣「だからさぁ〜お願い!愛華!お姫様やって…!」
愛華「…私じゃなくても…いいんじゃないかしら…」
芽衣「もーー、1週間後までに考えといてよね!諦めないからっっっ」
と、芽衣は学祭の会議に行ってしまいました。
由莉「やってあげたら?」
愛華「…はる、回る人いなくなっちゃう」
菻「え、晴翔くんって友達いないの?」
由莉「そういやあんまりみたことないかも、」
柚葆「会ってみたい!!だって西工大でしょ??いい男いそう〜」
晴翔は国内トップの理系大学に在籍してます。実はめっちゃ頭が良い晴翔。
由莉「あー、だから会わせたくないのか、」
葉子「虫除けか。」
由莉「そゆこと〜」
・
授業が終わり
愛華は学内を散歩しています。
愛華(今日もレモンケーキ食べ行こうかな)
晴翔に連絡しようとすると、
井間「愛華ちゃん!」
振り向くと井間が追いかけてきました。
愛華「なにかしら」
井間「愛華ちゃんに頼みたいことあって」
愛華「キャラクターなら嫌よ」
井間「そっか…どうしても?」
愛華「回る人いるの」
井間「はるくんと?」
愛華(コクッ)
井間「そっか…ねえ、俺にも、一回だけチャンスくれない?」
愛華「チャンス?」
井間「どうしても…カッコつけたいんだよね…」
・
・
晴翔「はっっっクション…ぁああ!!」
その頃、晴翔は課題の模型を製作していました。
くしゃみで資材が飛んでしまいました。
さゆり「あー!もう晴翔!飛ばさないでよ!!」
せいや「なんだ〜?例の幼馴染が噂してんじゃねーの?」
だいち「相変わらずだな」
晴翔「うるせーな、黙って作れよ」
大学の同じ学科で、課題やコンペで共同制作している仲間で、普段から授業を一緒に受けたりと結構仲良し、
晴翔、ちゃんと大学にも友達いるんじゃん。
愛華のことは自分から話すことはほとんどありませが、態度で色々バレているんだとか。
せいや「そう言えばさ〜もうすぐ六花の学祭じゃね?」
さゆり「そーじゃん、ねー、晴翔今年こそは連れてってよねぇ」
晴翔「連れて行くわけねーだろ」
せいや、さゆり「えー、なんでー??」
だいち「晴翔の幼馴染、会ってみたいけど」
晴翔「あ?ぜっってーむり。」
せいや「マジでお前、写真も見せてくれねーし、なんなんだよ、見せらんねー理由とかあんのかよ?」
晴翔「お前らに見せる価値はない」
せいや「どういう意味だよ?!」
すると、晴翔のケータイが鳴りました。
晴翔「お、」
せいや「幼馴染からだべ」
晴翔「なんでわかった」
せいや「顔に出てんだよっにやけやがって」
晴翔「はー。。。。え、」
さゆり「どした」
晴翔「あ、いや、なんでも」
せいや「かせっ!」
せいやは晴翔からケータイを奪いました。
晴翔「あ!!お前っ」
せいや「『学祭のキャラクターやることになりました
友達と来てね
回れる時は連絡します』」
さゆり「じゃあいけんじゃん!」
だいち「幼馴染ちゃんに言われちゃー、断れないもんね?」
晴翔「…学祭いかね」
晴翔は拗ねたようにそっぽ向いてしまいました。
せいや「あっそ、じゃあ、俺らだけで幼馴染ちゃんのキャラクター姿見ちゃおーっと」
晴翔「待て。11時集合な」
承諾の理由
芽衣「愛華ぁぁぁぁぁ!!!ありがとぉお!!!!!引き受けてくれて!!!」
愛華が学祭のイメージキャラクターを引き受けてくれたことに大喜びの芽衣。
由莉「何、急に気変わったの?」
愛華「井間さんに、言われて」
人に言われて意見を変えることなんて今までなかったので驚く由莉。
由莉「…え?なんて?」
愛華「ナイショ」
由莉「…そう…」
芽衣「えー!井間さんに言われて?井間さんにもお礼言わなきゃ…あ!ちょうどいいところに!」
食堂をちょうど出て行こうとする井間に声をかけました
井間「…芽衣ちゃん!」
芽衣「ありがとうございます!学祭ほんっと素敵にできそうです!」
井間「それはよかった、愛華ちゃんも、ありがとうね」
愛華(コク)
芽衣「じゃあ、今度衣装の件でまだ連絡するので!」
井間「なんでも手伝えることあったらいってね?」
芽衣「わー!嬉しい!ありがとうございます!!」
立ち去ろうとする井間を引き留め。
由莉「あの、ちょっといいですか?」
井間「何?」
由莉「やけに熱心だなぁ…って思って」
井間「そう?元々行事好きだけど」
由莉「去年は断ったのに?」
井間「去年はミスターコン先に出るって言っちゃったから…」
由莉「本当に、それだけかしら?」
愛華「由莉、あんまり聞かないの」
由莉と芽衣は驚いて愛華の顔を見ます。
いつも話に入ってこないのに、
井間「…ふふ、じゃあ、また」
井間は爽やかスマイルを浮かべ去って行きました。
由莉と芽衣は顔を見合わせ
芽衣(…絶対何かある)
由莉(…晴翔に言うべき?)
芽衣(いや…2人のことだから…口出ししない方が…)
由莉(…そうね)
と、表情だけで会話をしました。
愛華「学祭楽しみね」
由莉と芽衣さらに驚きました。
由莉「…ソ、ソウダネ」
芽衣「ワ、ワタシセイイッパイヤルネ」
愛華「…2人とも、なんかいつもと違うわね、どうしたの?」
由莉、芽衣(や、いつもと違うのは愛華の方だけど…)
井間と愛華は何を話したのでしょう…
続く