次の日もなんだか気分も晴れないし、耳鳴りもまだする気がする。
今日は壮行会
全校生徒が体育館に集まり、
大会に出る部活の生徒を送り出す会。
全校生徒が集まり、ガヤガヤする体育館。
音が反射して耳鳴りがひどくなる。ぐわんぐわんと頭を揺さぶられているよう。
晴翔(…早く終わんないかな…)
生徒の雑談、進行の先生のマイクを使った声、全部頭の中で反響して、吐き気がしてくる。
部長としてしっかり挨拶しなきゃ、
自分で自分の体を支えるようにグッと力を入れます。
後輩「…部長!」
後輩に呼ばれて、ハッと後ろを向きます。
後輩「次、部長の番ですよ!」
いつのまにか空手部の番になっていました。
慌てて
クラスメイト「晴翔天然だな〜」
クラスメイト「しっかりしてるのにね普段〜」
晴翔のキャラもあるので、みんなクスクス笑うだけでしたが、
由莉「…微笑ましくて、みんな笑ってるだけだよ?」
愛華「…」
愛華はむっと難しい顔をしてました。
短い挨拶をして、晴翔も元の場所に戻りました。
普段通り、難なく終わった。
と、思っていましたが、
後輩「…部長、暑いですか?」
晴翔「へ?」
後輩「…汗、やばいっすよ」
額を拭うと変な汗が、握りしめた手にも気持ち悪い、濡れた感触。
晴翔「あ、あれ、本当だ」
騒がしい耳鳴りのせいで気付かなかったけれど、
心臓が倍に肥大化したような、音が頭の芯まで響きます。
そんな緊張しいじゃないのに、
というか、今までずっとやってきたことなのに。
後輩「…大丈夫っすか?」
晴翔「へ、平気、大丈夫、」
晴翔はポケットに入っているティッシュでゴシゴシ適当に汗を拭き取りました。
続く