branchに気になるお客様?
愛華と由莉がお買い物をした次の日。
朝からバイトをする理玖。
気になる会話をしているお客さんが来て、盗み聞きしています。
りの「さゆりんと会えるなんてびっくりだよ〜!」
さゆり「…そうだねびっくりした、朝活するタイプなんだね」
さゆりとりのが偶然branchで再会したよう。
りの「さゆりん晴翔くんとどう?」
さゆり「や、どうって…晴翔、幼馴染と付き合い始めたよ」
りの「えー!うそー!略奪しなきゃだ!」
さゆり「そ、そんな…」
りの「イケメンでお金持ちでしかも押しに弱そうだし…行くしかない!」
さゆり「え、晴翔ってお金持ち?なの?幼馴染はお嬢様らしいけど」
りの「だって!晴翔くんつけてるピアスめっっちゃ高いよ!ほら!」
ケータイにピアスの値段が載っています。なんと、さゆりが買うアクセサリーより、ゼロの数が2個多い…
さゆり「そ、そんなの付けてたの…」
りの「これつけてるなんてぜーったいお金持ちじゃん!」
さゆり「でも、晴翔はそんなお金持ちってわけじゃないらしいけど…」
りの「え?なんで?」
さゆり「奨学金借りてるし…家計の事情で自分は国公立大学にした…とか言ってた気がする」
りの「なーんだお金持ちじゃないの?えー、じゃありの晴翔くん狙うのやめる」
さゆり「え?」
りの「だって玉の輿に乗りたいもん、りの楽して生きたいもん、だから!」
りのが身を乗り出し、さゆりの手を両手で包みます。
りの「応援してあげる!さゆりんのこと!」
さゆり「いいよ…うまく行ってるみたいだし…」
りの「でもでも〜さゆりんがスッキリしてないじゃーん?」
さゆり「…でも…」
りの「とっておきの方法教えたげる❤︎」
と、コソコソ話をする2人。
理玖は影から2人を見て
理玖「晴翔さんのこと話してる…き、聞こえない…」
略奪とか、玉の輿とか聞こえて、何か嫌な予感がする理玖でした。
その頃、六花大では
由莉が何も言わずに学校を休んで、他の5人が心配しています。
愛華「昨日何かあったのかな…」
芽衣「変なことに巻き込まれたり…」
柚葆「だから男遊びやめろって言ってるのに」
愛華「おうちにはいるんだけど…」
葉子「なんでわかるの?」
愛華「位置情報共有してるの」
菻「え、由莉と?」
愛華「わたしよく迷子になるから」
・
その頃晴翔は大学で課題を進めていました。そこにはだいちもいました。
愛華から電話がかかってきました。
晴翔「どした?」
愛華『由莉が心配』
晴翔「ん?なんかあった?」
愛華『学校休んで…昨日何かあったのかな…って』
晴翔「まじか…昨日止めときゃよかった…」
愛華『会ったの?』
晴翔「あー、男に絡まれてたな…」
愛華『その人となんかあったのかな…』
晴翔「探し行くか?」
愛華『お家にはいるの』
晴翔「え?なんでわかるの」
愛華『位置情報共有してるの』
晴翔「えぇ、そうなのか」
愛華『はる一緒に来てくれる?』
晴翔「…や、危ないからあいは来ないほうがいいよ」
愛華『でも…』
晴翔「俺1人の方が安全だから、じゃ、行ってくるわ、すぐ連絡する」
愛華『…ありがとう、気をつけてね…』
晴翔「心配すんな〜じゃあ」
電話を切るとすぐに荷物をまとめる晴翔。だいちはため息をつき、
晴翔「どした?」
だいち「…よく彼女の友達にそこまでできるね、晴翔だって危ないのに」
晴翔「あいの大事なもんは大事にしたいだろ?」
だいち「俺も行くか?こう見えて結構強いよ」
晴翔「や、いいよ、じゃあ後で、六花大の場所わかるよな?」
この後六花大に用事があった2人。
だいち「おう、大丈夫」
晴翔「おっけ、行ってくるわ」
その場をかけて行く晴翔。
そういうところが他の女に勘違いさせるんじゃないか…とだいちは小さくなる晴翔の後ろ姿を眺めました。
・
由莉の家に着いた晴翔。由莉の家もbranchと六花大の近く。インターホンを鳴らすと、しばらく経ってから。
由莉『…はーい』
晴翔「由莉〜大丈夫か?」
由莉『なにが?』
晴翔「…いるなら開けろ〜」
由莉『えー…すっぴん見られたくないな』
晴翔「今更何言ってんだ」
由莉『はいはい』
ちょっと疲れた声の由莉。
ガチャ、家のドアが開きました。
タンクトップを着た由莉がでました。ちょっと顔が熱っているような、目が虚なような。
晴翔「…」
晴翔はちょっと目のやり場に困ります。
由莉「どうした?晴翔一人で」
晴翔「いや、愛華が、お前が学校休んで心配だーって…電話きたから」
由莉「あー、来たのがあんたでよかったよ」
晴翔「は?」
由莉「わたしは元気だから大丈夫って言っといて」
晴翔は足下に目をやります。
晴翔は目をギラつかせ由莉に何か言います。
そのまま、由莉を押し退け、部屋に入って行くのを…
りの「…見た?今の」
さゆり「……晴翔…」
branchから帰るりのとさゆりに見られてしまいました。
続く