お隣さん

家に着き着替えを準備しようとすると

 
晴翔「…あれ?ロンTない…あれ、柄シャツもない…え、ジャケットもないし…
おーい!裕翔!」

 

部活から帰ってきて道着のままの弟、裕翔に声をかけます。

 
裕翔「は、なに」

 

晴翔「…なんで道着のままなの」

 

裕翔「着替えるのだるかった」

 
晴翔「おまえさー…」

 

裕翔「ってか何、そんな小言言うために呼んだのかよ」

 

冷蔵庫から牛乳を取り出しながら不機嫌そうな裕翔。

 

晴翔「あ、そうだよ、お前、俺の服着た?」

 
裕翔「着てねぇよ、サイズ違いすぎるから、喧嘩売ってんのか??」

 


晴翔「いや…ごめんそうだよな」

  
裕翔「おい!謝るなよ!」

 
裕翔はさらにご機嫌斜めになってしまいました。

 
晴翔「…じゃ誰だ、友達来てないし…」

 

裕翔「おい!喧嘩売ったままかよ!」

 

裕翔を無視して部屋に戻りました。

 
疑問のまま夜になりました。

 
晴翔もベットに入り、寝ようとしていると…

 
コンコン、誰かが窓を叩く音が

 
晴翔「!!」

 
急いで窓に駆け寄る晴翔

 

 
そこにはなんと愛華が

 
晴翔「危ないからやめてって!!」

 
愛華「あそぼー」

 
愛華と晴翔の家はお隣同士

 
愛華の部屋と晴翔の部屋は階が同じのため

 
愛華は窓にハシゴをかけて晴翔の部屋のベランダにたまにやってくるんだとか、

 

 
晴翔「普通に玄関から来ようね?」

 
愛華「服かーして」

 
晴翔(ぜんっぜん話聞かないな)

 
愛華のパジャマ姿が可愛すぎてドキドキしていると

 
いきなり晴翔の服でファッションショーを始めようとします

 

晴翔「パジャマの上からだよ!!」

 
夜中で眠たいのも相まって今から帰すのも危ないので

 
愛華の好きなようにさせています。

 

ベットに寝転んでぼーっと眺めています。

 
晴翔「俺の服着て楽し?」

 
愛華「うん」

 
体格差がありすぎて晴翔の服はワンピースみたいになります

 

 
晴翔(かわいいなぁ…)

 

愛華を見て、昔のことを思い出しました。

 

始まり

 

2人が小学校1年生の頃

 

トントン

 
窓を叩く音が

 
晴翔「?、風かな」

 
晴翔がカーテンを開けると

 
晴翔「?!?!?!あい?!」

 

 
なんと、ベランダに愛華が

 
晴翔「え?どしたの?」

 
愛華「あれできた」

 
愛華の部屋と晴翔の部屋の窓にハシゴをかけてやってきたそう。

 
晴翔「危ないよ??」

 
愛華「大丈夫よ」

 
晴翔「お外真っ暗だよ?」

 

愛華「お洋服貸して」

 
晴翔「ん?なんで?」

 
愛華「かーして」

 

早速晴翔の服を着る愛華。

 

愛華「強そう?」

 
晴翔「……強そうじゃない…」

 
愛華は不貞腐れた顔をしました

 
晴翔「強くなりたいの?」

 
愛華(コクッ)

 
晴翔「なんで?」

 
愛華「……シャチョウになるから」

 
晴翔「…そっか」

 

愛華は将来、家の会社を継ぐために勉強を頑張っていました。

 
愛華「……」

 
晴翔「…勉強いや?」

 
愛華(…コク)

 
晴翔「じゃあ、俺が代わりにシャチョウになるよ?」

 
愛華「だめ、」

 
晴翔(少しショックな顔して)
  「…どして?勉強、俺嫌いじゃないから頑張るよ?」

 

晴翔は勉強も得意でいつも100点をとっていました。

 
愛華「はるは、はるが好きなことしてなきゃだめなの」

 
晴翔「…そっか。ありがとう…ずっと応援するね」

 

愛華は頷き眠そうに目を擦りました

 
晴翔「もう寝よ」

 
愛華「うん」

 
愛華と晴翔は布団に入りました。

 
愛華「明日怒られちゃうかな」

 
晴翔「早く起きて、あいの家帰ろ」

 
愛華「はる…」

 
晴翔「なに?」

 
愛華は眠そうな顔でにこにこ晴翔を見ていました

 
晴翔「なんだよ、」

 
愛華「おやすみ…」

 
晴翔「…おやすみ」

 
愛華が寝た頃

 
晴翔「ずっと…そばにいるからね…」

 
愛華に布団をかけ直してあげました。

 

 

その後も、愛華は嫌なことがあると晴翔の家にやってくるようになりました。

 

危ないので毎回やめてと言いますが愛華の可愛さに負けて今でも続いています。

 

今の理由

 

晴翔「あい〜」

 
愛華「なぁに」

 

晴翔「…なんかやなことあったの?」

 

愛華「ないよ」

 

晴翔「昔さ、嫌なことあったら俺の家きてたじゃん」

 

愛華「今は違う」

 

晴翔「…そ?」

 

あくびをしながら頷く愛華。

 
晴翔「もうそろそろ寝な?」

 
愛華「うん」

 
と言って晴翔のベッドに入ってこようとする愛華

 
晴翔「ダメダメダメダメ!!!帰るよ!!」

 
愛華「えー、一緒に寝てたのに」

 

晴翔「何年前だよ…」(警戒心というものはないのか、全く…)

 
お互いの家族は寝静まっている頃なので、そろーっと愛華の家の玄関まで送ります

 
晴翔「もう夜来ちゃダメだよ」

 
愛華「やー」


晴翔「あぶないからね?じゃあおやすみ」

 

晴翔が家に帰ろうとすると。

 
愛華「はる」

 
晴翔「ん?」

 

愛華「…元気?」

 
晴翔「え?元気…だけど…」

 
愛華「…元気なく見える」

 
晴翔「…あ…」

 
愛華と井間が写っている写真がずっと気がかりで

 
確かに元気無くなってたかも…

 
晴翔「…あい、ありがとう、でも、大丈夫だよ?」

 
愛華「…大丈夫じゃないとき、大丈夫っていうの、はる」

 
晴翔は少しため息をついて

 
晴翔「…あいには敵わないな」(ボソ)

 
愛華「なぁに?」

 
晴翔「いや、なんでも。…おやすみ」

 
愛華「…おやすみ」

 
晴翔は写真のこと…聞けないかな。

 
弱い自分が嫌になる晴翔でした。

 

続く

 

 

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