branchにて
柚葆「ひっさしぶりだなぁ!branchいくの!」
葉子「私ほぼ毎日貢いでるわ」
柚葆「リッチだなぁ」
柚葆と葉子は2人でbranchにやってきました。
すると、見覚えのある金髪のギャルが、
柚葆「あぁ!あの学祭の時のギャルじゃん!理玖くんに会いに来てるんじゃん!!いいの?葉子?!」
葉子「ああ、いいの」
めちゃくちゃニヤニヤしている葉子。金髪ギャルの正体は葉子が大ファンの人気俳優FUYUこと本名夏樹。理玖の親友なので葉子にとっては推しと推しの素晴らしい組み合わせなんだとか。
その後に、なんとだいちが、
柚葆はだいちを見るなりさっきまでペラペラ喋っていたのが嘘かのように縮こまり葉子の後ろに隠れました。
柚葆「…今日やめない?別なところいこ…」
葉子「え?楽しみにしてたじゃん…」
モゾモゾコソコソしていると理玖が2人に気づき、
理玖「あ!葉子さん!柚葆さんも!」
柚葆「ち、ちがいますっ」
葉子「え?」
柚葆は葉子の後ろで縮こまったまま答えました。
だいち「あれ、柚葆ちゃんじゃーん、そっかここ六花大の近くか」
ニヤニヤしながら柚葆の肩にポンと手を乗せます。
柚葆「最悪」
だいち「ねぇ、次いつデートできるの?」
柚葆「いやぁぁぁ」
夏樹「にいちゃん、次俺早いんだからもう行くよ」
ギャル姿のままですが、普通にしゃべっている夏樹。理玖が少し後ろで焦ってますよ。
夏樹「あー、理玖の彼女さん別れたら教えてね」
葉子「あー、ツンデレだ、尊いわぁ」
夏樹「うるさ」
と通り過ぎようとしましたが
夏樹「あ、そういえば、聞きたいことあったんだ」
葉子「なに?」
夏樹「チラッと見ただけだからあんま覚えてないんだけど、理玖の彼女さんの友達に似てる人が今度のミュージカルのバレエ教えてくれてて。」
葉子「似てる人?」
夏樹「そう、金髪の人の」
葉子「金髪…は、由莉?」
柚葆「愛華も金髪っちゃ金髪か?」
夏樹「…名前わかんないけど」
葉子「それがどうかしたの?」
夏樹「めっちゃお世話になってるから…なんとなく。すげぇ危険な香りする人だけど」
葉子「ほぉ…よろしくしたらサインくれる?」
夏樹「…うるさ…ミュージカルのチケットやるよ」
葉子「え!!!ほんと!!…いやでも、コネチケは…」
夏樹「…いいだろ、そんなとこきにする?」
葉子「オタクは気にするんです」
夏樹「あっそ、理玖にはあげるからね〜」
葉子「一緒に行く!!!」
理玖「ね、ねえ、急いでるんじゃないの?」
お客さんがざわつき始めヒヤヒヤする理玖。
夏樹とだいちはbranchを出て行きました。
柚葆「…え、あのギャル…ミュージカルなんてやってるの?」
夏樹の正体を知っているのは理玖と葉子だけ、2人は今更焦っています。
柚葆「氷の妹だったとはあのギャル、いいの?理玖くんと仲良くしてるみたいだけど」
葉子「え、あ、青春だから許した!」
柚葆「…心広いね」
なんとか乗り切れホッとする葉子と理玖。
それにしても、バレエの人って誰なんでしょう。六花の6人組の中の金髪の2人のどっちかに似てる、危険な香りがする人…
次の日の食堂にて
葉子「愛華と由莉って兄弟とかいる?」
何気なく聞いたつもりが、2人の表情が凍りつき、焦る葉子
葉子「へ、変なこと聞いちゃった?」
由莉「あ、いや、ごめん。私は歳の離れた弟と妹いるよ、ママ再婚して」
葉子「え!あ、そうだったの」
由莉「みて、めっちゃ可愛いの」
笑顔の由莉と弟と妹の写真を見てホッとする葉子。
葉子「可愛いね〜」
由莉「でしょ〜自分の子供みたい」
葉子「確かに…似合う」
由莉「似合う?」
と、ニコニコ嬉しそうな由莉。
愛華「…私は…お兄ちゃんがいるよ」
葉子「え!!」
驚き、少し大きい声を出す葉子。
葉子「もしかして…だけど、バレエのやってる?」
愛華「…なんで知ってるの」
葉子「あの…知り合いが、ミュージカルやるみたいで、その先生みたいな」
愛華「あー、ポスター見たわね、」
由莉「そんなミューカルに出るような有名な人と知り合いなの?葉子」
葉子「あ、いや、まあ」
FUYU(夏樹)と知り合い流石に教えられません。
葉子「お世話になってるらしいから、よろしくって」
愛華「…日本にいるの知らなかった」
葉子「…連絡あんまり取ってない?」
愛華「海外にいたし…」
目を細め見たことない渋い顔をして言葉を濁す愛華。
葉子「そ、そっか」
愛華「うん、」
葉子「ありがと!じゃ、授業あるから」
由莉「じゃあ、私たちは帰ろか」
愛華「うん。」
まるで鏡
愛華と由莉が一緒に帰っていると
愛華「この後お茶しましょ?」
由莉「…ごめん、今日も予定あって…」
愛華「…今日も?」
由莉「ごめんね…」
愛華はむすっとし、拗ねたような声で、
愛華「由莉は…男の子と遊んで楽しい?」
由莉「…何いきなり」
愛華は口をむっとしたまま由莉を見つめます。
由莉「あー…楽しい?かな、んー」
楽しいとか…考えたことなかった。だって、みんな代わりだし。
愛華「私じゃ…代わりになれないの?」
歩いてた足を止めてポカンとする由莉。
由莉「…え?」
愛華「あいの方が、由莉こと、好きなのに周りの男の子より」
由莉はうろたえ、目が泳ぎます。
愛華「私ともっとお出かけとかして遊びましょうよ、おうちも、由莉が嫌じゃなければ、また来て欲しいのに…」
由莉はああ、そう言うことかと、ふふと笑い、愛華を撫でながら
由莉「愛華とは、できないこと、してるのよ?」
愛華はでも…と首元をちょんと触り。
愛華「…これも?お家にいる『猫ちゃん』が付けたの?」
由莉はパッと首をおさえて
由莉「そう…だけど」
愛華「なら、見せれるわよね?」
猫なんて嘘つくんじゃなかった…今更言い訳しても…由莉は伸びてくる愛華の手に後退りすると、ぽんと何かに背中がぶつかり。柔らかい香りに包まれ、
???「だーめ、これは由莉ちゃんと僕の愛の印なんだから」
後ろから由莉を抱くのは…ブロンドの髪、大きな目、長いまつ毛、透き通るような白い肌。
愛華「…愛斗(まなと)…?」
愛斗「久しぶりだね」
鏡に映したようにそっくりな顔で対照な表情で対峙する2人。
続く